コラーゲンと聞くと、美肌のイメージがありますが、なぜコラーゲンが肌によいかご存知でしょうか?そもそも美肌とは、どのような肌のことをいうのでしょうか。今回は、コラーゲンがなぜ美肌と関係しているのかを、詳しくお話ししたいと思います。
美肌の定義
10代~20代の若い肌は、特に手入れをしなくても、とてもきれいですよね。一方、年を重ねると、たとえ化粧をしていても、若い肌とは違って見えます。若い肌と年を重ねた肌とでは、何が違うのでしょうか。
若い肌と、年を重ねた肌との大きな違いは、実はたるみです。まぶたのたるみや、頬のたるみは、肌の老化の象徴ともいえます。また、年を取ると気になってくるほうれい線も、口元や頬のたるみが原因で引き起こされる老化現象なのです。
他にも、たるみが引き起こす老化現象に、目の下のクマやくすみがあります。いっけん何の関係もなさそうですが、目の下のクマやくすみは、目の周りの肌のたるみが、影になることで、黒く見えてしまう症状なのです。
このように、年齢と共に失われるはりや弾力が原因で、肌がたるむことで、肌の老化を印象づけてしまうのです。反対に、はりや弾力のある肌は、とても若々しく見え、美肌の代表といえます。
肌のはりや弾力はコラーゲンが作る
若々しさの象徴である、肌のはりや弾力を作り出しているのは、コラーゲンです。人の体の構成は、成人の場合、体の55%~60%が水分、残りの40%がたんぱく質です。このたんぱく質の約30%を構成しているのが、コラーゲンです。
コラーゲンは肌だけでなく、骨や骨と筋肉を結ぶ腱、軟骨、血管など、体内のほとんどの部位に存在します。コラーゲンは、弾力があるのが特徴で、細胞と細胞とを結んで、しなやかさを保ち、肌のはりや弾力を保っているのです。また、コラーゲンがたくさん集まることで、弾力だけでなく、その強度も強くさせ、衝撃から守ってくれているのです。
コラーゲンは、髪の毛と同じように、古くなると分解され、新しいコラーゲンに交換されます。ところが、25歳を過ぎるとコラーゲンの交換が遅くなり、コラーゲンの量や質も低下していきます。そうすると、肌が重力に耐えられなくなり、たるみを引き起こしてしまうというわけです。
美肌を保つためには、コラーゲンを摂取する
老化と共に、減少してしまうコラーゲンを補うためには、どうすればよいのでしょうか。実は、コラーゲンは、摂取しても全てがアミノ酸に分解されるので意味がないという説があり、コラーゲンそのものを取り込むことは、難しいとされてきました。
しかし、最近の研究で、コラーゲンを摂取すると、その一部は、コラーゲンぺプチドとして吸収されることが分かってきました。
皮膚科医でもある藤田保健衛生大学医学部の赤松浩彦教授によると、40歳~65歳の女性65人に、コラーゲンの分子量を小さくしたサプリメント1日5g摂取するグループ、1日10g摂取するグループ、偽サプリメントを摂取するグループに分けて7週間摂取してもらったところ、コラーゲンを含むサプリメントを摂取したグループの7~8割に、肌の弾力のアップを実感できたという結果が出ています。
肌の変化を表す客観的な数値が出なかったことなど、まだ課題はありますが、この研究結果から、コラーゲンの摂取によって、コラーゲンの一部が肌にまで届き、一定の効果があるということが証明されたのです。
美肌を保つためには、バランスよく食事を摂る
美肌を保つために、コラーゲンが必要といっても、コラーゲンだけで美肌を保つことはできません。全ての栄養素をバランスよく摂取することで、その効果が現れてくるのです。
美肌を保つためには、五大栄養素をバランスよく摂取することと、コラーゲンの働きを促すビタミンCを意識して摂取することが大切です。そして、足りない分をコラーゲンサプリメントなどで補うと効果的です。
また、肌の再生を妨げる紫外線や睡眠不足、ストレス過多な生活を避けることも大切です。美肌を保つためには、生活習慣や食習慣を整えることが、まずは基本といえますね。