「コラーゲン」という言葉の語源とは
コラーゲンはギリシャ語に由来しています。 「Kolla(コラー)」は「膠(にかわ)」を意味し、「gen(ゲン)」は「~のもと」ということを意味しています。 膠とは、動物の骨や皮を石灰水で煮て、その液を冷やし固めたものです。 接着作用があるため、バイオリンなどの弦楽器を作る時に接着剤として使用されています。
接着する?繋ぐ?コラーゲンの働き
コラーゲンは細胞と細胞を繋ぐ役割を担っています。 例えば骨は、コラーゲンでできた網目の隙間にカルシウムなどの結晶が詰め込まれてできています。
他にも骨と筋肉を結びつけている腱にはコラーゲンが多く含まれていて、コラーゲンの塊といっても過言ではない組織です。このようにコラーゲンは組織を構成する基礎となり、結び付ける役割を担っているため非常に丈夫な構造である必要があります。
ですからその形も他のたんぱく質と比較すると特殊な形をしていて、3本の鎖が絡み合ったようならせん状になっています。
この形状や性質を利用したものがコラーゲン製品に
この3本の絡み合った鎖は約60度で加熱するとほどけて、冷やすと水分を多く含んだままランダムに絡まり合ってゼラチン状になります。
食品に使われているゼリーや煮こごりはコラーゲンがゼラチン状に変化したものです。 それは化粧品などにも配合されており、コラーゲンが水分を保持する性質を利用して、肌の保湿成分として使用されています。
コラーゲンは生体適合性が高い成分
コラーゲンは人々にとって様々な形で利用されている、生体適合性が高い成分とい」えます。それは食品や化粧品に限らず、医療への応用が研究されていることにも言えます。
例えばコラーゲンで作ったコンタクトレンズ。水分を95%含んでおり、酸素を良く通すため目に優しく、初めて使用する人でも痛みや違和感なく使えます。 また、火傷を負った部分が細菌によって悪化することから保護するためにコラーゲンシートが実用化されています。
コラーゲンは細胞と細胞を繋ぐ役割を担っています。例えば体外で細胞を培養する際にもコラーゲンの上で行えば、その機能を保って増殖してくれるという驚きの作用を利用する研究も進んでいます。 他にも人工の骨や歯、血管などを作るためにも、コラーゲンは有力な素材と考えられています。
これから高い注目を益々浴びていくであろう再生医療にとって、コラーゲンの高い能力に期待が高まっているのです。
コラーゲンの働きで生物世界が支えられている
多細胞生物は細胞の糊であるコラーゲンなしには出現し得ませんでした。 植物を支えているセルロースと並んで、今の生物世界はコラーゲンのおかげとも言えます。昔からあり、そして今なお活躍を続けるコラーゲンは、生命の歴史をも支え続けてきた素晴らしい成分です。