コラーゲンはたんぱく質で、肌だけではなく、骨や血管など色んな場所に存在することはよく知られています。では、コラーゲンをさらに細かく見てみると、いったいどこに存在し、どんな構造をしているかご存知でしょうか。
今回は、コラーゲンが体の中でどんなふうに存在し、どんな役割を果たしているのかを詳しく解説したいと思います。
コラーゲンは体の1/3を占めている
コラーゲンは、肌に弾力やうるおいを保つものというイメージがありますが、皮膚以外にも骨や腱、軟骨、血管、歯などほぼ全ての臓器に存在しています。
役割は、しなやかさや弾力を保つだけではなく、コラーゲンがすきまなく存在することで、その強度を保つ役割も果たしています。
コラーゲンは、人間の体を構成する全たんぱく質の約1/3を占めていて、たんぱく質の中では一番多く存在していています。約60兆個ある人間の細胞と細胞との間(細胞外基質)の主成分となっています。
コラーゲンは、全コラーゲンの約40%が皮膚に、約20%は骨や軟骨にあります。その他40%は、血管や歯などさまざまな場所に存在しています。
コラーゲンの構造
コラーゲン繊維ってどんなもの?
では、コラーゲンを細かくみていくとどんな構造をしているのでしょうか。コラーゲンは、やや弾力のある繊維構造をしていて、コラーゲン繊維と呼ばれています。
コラーゲン繊維は、最小単位である20種類のアミノ酸がつながった「ポリペプチド鎖」と呼ばれるものが、3本絡み合って構成されています。
一番多く存在しているⅠ型コラーゲンで、構造をさらに細かくみていくと、一定の配列で並んだアミノ酸(アミノ酸残基)が約1000個繰り返し集まって一つのポリペプチド鎖となります。
このポリペプチド鎖が、左巻きのらせん状に3本絡み合って、長さ約300nm(ナノメートル)、直径が約2nmの細い棒状のたんぱく質となります。これをコラーゲン分子といい、このコラーゲン分子が、さらにずれながらたくさん集まってコラーゲン繊維を構成しているのです。
30種類以上のコラーゲンが体の中に存在!
人間の体に存在するコラーゲンの種類は30種類以上あり、現在、報告されているのは、Ⅰ型から順番に、28番まであります。
皮膚やじん帯、腱、骨などに存在するコラーゲンは主にⅠ型で、関節や軟骨では、Ⅱ型コラーゲンが主成分となっているのです。
こうして弾力、強さ、潤いの力が生まれます
このように、一言でコラーゲンといっても、さまざまな種類があり、その一つを細かくみていくと、小さなアミノ酸が連なって、たんぱく質となり、さらに複雑に集まって強固なコラーゲン繊維質を構成しているのが分かると思います。
体の中では、このコラーゲン繊維がさらに蜜に絡み合うことで、弾力と強さを保ち、皮膚においては、ヒアルロン酸を絡ませることで、潤いを保つ役割もしているのです。