アミノ酸スコアという言葉をご存知でしょうか。アミノ酸スコアとは、必須アミノ酸がどれくらいバランスよく含まれているかを評価したものです。
「必須アミノ酸」とは、人間の体を構成するたんぱく質の最小単位である20種類のアミノ酸のうち、体内で合成できず、食べ物から摂取しないといけないアミノ酸のことをいい、反対に、体内で合成できるアミノ酸を「非必須アミノ酸」と呼んでいます。
必須アミノ酸は、全部で9種類あり、その全てをバランスよく含む食べ物を100点として表しています。つまり、人間にとって、良質なたんぱく源は、アミノ酸スコアがより100点に近い食べ物といえるのです。今回は、コラーゲンのアミノ酸スコアについてお話ししたいと思います。
必須アミノ酸とアミノ酸スコア
人間の体は、約70%が水分で、約20%がたんぱく質でできています。たんぱく質からできている代表的な体の部位は筋肉ですが、それ以外にも内臓や爪、髪の毛、血液、ホルモンなどさまざまな体の部分を作っています。
もちろん、コラーゲンもたんぱく質でできており、たんぱく質は、人間にとってはなくてはならない栄養素です。
たんぱく質は、20種類のアミノ酸からできており、20種類のうち、食べ物から摂取しなければ不足してしまうアミノ酸を必須アミノ酸と呼んでいます。
そのため、より必須アミノ酸をバランスよく含む食材を、積極的に摂取するよう推奨しているのです。
9種類の必須アミノ酸
- トリプトファン
- リシン
- メチオニン
- フェニルアラニン
- トレオニン
- バリン
- ロイシン
- イソロイシン
- ヒスチジン
アミノ酸スコアとは、9種類の必須アミノ酸の含有率への評価
これらの必須アミノ酸は、WHOによりそれぞれの1日の推奨摂取量が定められており、できるだけ、バランスよく全ての必須アミノ酸を含んだ食品、もしくは食材を種類豊富に摂り、全ての必須アミノ酸をバランスよくまかなうことが推奨されています。
アミノ酸スコアとは、9種類の必須アミノ酸がいかにバランスよく含まれているかを評価したもので、バランスが悪ければ、点数が低くなります。必須アミノ酸は、一つでも欠けていると、有効活用されないため、全ての必須アミノ酸を含まないと0点となってしまいます。
さまざまな食品のアミノ酸スコア
白米 | 65 | アジ | 100 | 枝豆 | 92 |
食パン | 44 | イワシ | 100 | おから | 91 |
鶏肉 | 100 | 鮭 | 100 | 豆乳 | 86 |
牛肉 | 100 | ブロッコリー | 80 | 牛乳 | 100 |
豚肉 | 100 | 人参 | 55 | 卵 | 100 |
コラーゲンのアミノ酸スコア
9種類のうち8種類しか含まれていないコラーゲン
では、コラーゲンのアミノ酸スコアはどうでしょうか。コラーゲンのアミノ酸組成は、非必須アミノ酸であるグリシンが全体の約20%で一番多く、続いて、非必須アミノ酸であるプロリンとコラーゲンにしか含まないヒドロキシプロリンがそれぞれ10%程度含み、これら3つのアミノ酸でコラーゲン全体の40%を構成しています。
残りは、他のアミノ酸がそれぞれ微量ずつ含まれていますが、その内、必須アミノ酸は、リシン3.3%、ロイシン2.6%、バリン2.2%、トレオニン1.9%、フェニルアラニン1.6%、イソロイシン1.2%、ヒスチジン0.9%、メチオニン0.9%が含まれています。
コラーゲンに含まれる必須アミノ酸は、全部で8種類あり、残り1種類のトリプトファンが一切含まれていません。そのため、アミノ酸スコアは0点となってしまうのです。
コラーゲンの摂取は、他のたんぱく質と一緒に摂るとよい
他の栄養素と一緒にバランスの良い食生活を
アミノ酸スコアが0点のコラーゲンは、コラーゲンだけを摂取しても、バランスが悪いことが分かったのではないでしょうか。
コラーゲンを摂取する際は、できるだけ、コラーゲンとともに、他の食材も種類豊富に摂り、必須アミノ酸をバランスよく摂取することが大切なのです。
ビタミンCでさらに効果アップ!
また、たんぱく質以外にも、コラーゲンの再合成を促すビタミンCなど、ビタミン類も積極的に摂ると効果的です。