ゼラチンってどういったものを言うの?
魚のアラや手羽先を煮て、冷えた後に固まって煮こごりができますが、この煮こごりはコラーゲンです。 コラーゲンは魚や肉などに豊富に含まれてはいるものの、普段の食生活から毎日摂ることが困難な場合もありますし、消化や吸収があまり良くありません。
そういった場合、消化吸収が行われやすくなるように、コラーゲンを加熱し抽出、そして精製を行ったものこそがゼラチンです。 ゼラチンの約87%がコラーゲンであり、その他水分が約10%、他にも鉄分、カルシウム、リンなどを含みます。 ゼラチンは水に溶けにくい性質を持っていますが、熱に弱いためよく溶け、溶けたものが冷えることによってゼリーのようなぷるぷるとしたゲル状になります。
コラーゲンとゼラチンの違いって何?
コラーゲンとゼラチンは同じ原料からっできているため、成分は同じものと言えますがその分子の大きさや性質が異なります。 分子の大きさは大きい順番から並べると、コラーゲン>ゼラチン>コラーゲンペプチドです。 コラーゲンペプチドもゼラチンを細かく酵素分解したもので成分は同じです。
コラーゲンってどんな状態?
他のたんぱく質とは違って、コラーゲンの構造は細長い分子が3本らせんのように組み合わさった繊維状の構造をしています。 網の目のように重なり合っており、3本鎖をあわせた分子の量は約30万あります。
ではゼラチンはどんな状態?
熱によって抽出したコラーゲンから不純物を取り除いて精製したもので、コラーゲンに熱をかけたことによってコラーゲンの3本の分子がバラバラの状態になったものです。 分子量は約10万です。 よくお菓子づくりに使われるゼリーの素などは、ゼラチンを粉末状にしたものです。
ゼラチンを食材に利用するとこんなメリットが!
人間の体のたんぱく質は20種類のアミノ酸によって構成されていますが、この20種類のアミノ酸のうち、必須アミノ酸が9種類に着目を置いて考えてみます。
残りの11種類のアミノ酸は、体内で合成されますが、必須アミノ酸は体内で合成できません。 となると食物から摂る必要があります。
ゼラチンには、この必須アミノ酸のうち8種類を含み、その他の11種類のアミノ酸の10種類も含みます。 特に注目したいのは、必須アミノ酸の中でも多く含むリジン。 リジンは体内でブドウ糖が代謝することを促したり、カルシウムの吸収に関係しています。成長する過程では欠かすことができない必須アミノ酸の一つです。このようなことからゼラチンは、料理などにも利用しやすい食材であると同時に、消化吸収が良く栄養価も高い成分なので食品としての利用価値は高いことがいえます。 普段の料理にゼラチンを使ったものを積極的に取り入れることでコラーゲンを手軽に、そして美味しく摂取し、栄養バランスを整えることが可能なのです。