夏のスタミナ源としてよく知られているウナギは、コラーゲンの多い食品でもあります。あのヌルヌルした皮の内側にはたっぷりのコラーゲンを含んでいるのです。
ウナギは総合栄養食。ビタミンCと食物繊維を加えれば完璧!
ウナギは非常に優れた栄養食品であり、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンE、ビタミンD、カルシウム、鉄、亜鉛、DHA、EPAなど人間に必要なほとんどの栄養素を含んでいます。
ところが残念なことに、コラーゲンのベストパートナーともいうべきビタミンCを含んでいません。また、ウナギはコラーゲンの体内生産に多きな役割を果たす鉄分を含んでいますが、鉄分を吸収するにもビタミンCが必要です。
もう一つ、ウナギに足りない栄養素の一つが食物繊維です。ウナギをおいしく食べて、しかもウナギコラーゲンをしっかり吸収するためにはビタミンCと食物繊維を補う必要があります。
ウナギに含まれるマルチビタミン
ウナギには非常に多くのビタミンが含まれています。ビタミンAは、お肌や粘膜を守ります。特にカロテンの吸収をサポートすることから眼に良いといわれています。ウナギのビタミンA含有量は卵よりも多いほどなのです。
ほかにも、炭水化物やタンパク質、脂質の代謝をサポートして体調を整えたり、免疫力向上や疲労回復に働きかけるビタミンB群。
カルシウムの吸収をサポートするビタミンD、強力な抗酸化物質での老化防止、疲労回復やホルモンバランスから美容にアプローチするビタミンEが備わっています。
ウナギには重要なミネラルもバッチリ
カルシウムは歯や骨を構成する成分で、ウナギに含まれるビタミンDが吸収を助けてくれます。カルシウムは気分を安定させる効果もあります。貧血を防止する鉄分は、コラーゲンの体内生産にも大きくかかわります。また鉄分を吸収するためには、ビタミンCが必要になります。
ほかにも、ウナギが強精食品のように言われる一因となっている豊富な亜鉛が不足すると、味覚障害や生殖能力減退につながります。
良質のフィッシュオイル(高度不飽和脂肪酸)
ウナギに含まれるDHAとEPAは常温でも固まらない不飽和脂肪酸といわれる脂肪分です。血液をサラサラにして動脈硬化を防止し血栓など予防します。脳の血流も改善して脳機能を高めてくれます。
ヌルヌルの皮にはコラーゲンがたっぷり
うなぎの皮の内側にはコラーゲンが含まれています。コラーゲンは美肌効果や、滑らかな関節づくり、爪や歯を丈夫にする効果があります。コラーゲンを食べるとコラーゲンの体内生産のスイッチを入れることができます。そしてビタミンCを加えることにより、良質で丈夫なコラーゲンを完成できるのです。
食物繊維とビタミンCを補うウナギレシピ
ウナギと食物繊維たっぷりなゴボウの卵とじ
ウナギに足りない栄養素、食物繊維をゴボウで補えるレシピです。市販のかば焼きを利用すれば、手軽で少しリッチなお惣菜になるでしょう。ゴボウは食物繊維が豊富でオリゴ糖が多いため、腸内環境の改善に役立ちます。
- 材料(1人分)
ゴボウ半本(約80g)、ウナギのかば焼き2切れ(約50g)、卵一個、三つ葉 適宜 - 味付け
醤油、みりん、好みで砂糖少々、日本酒大さじ1、
平鍋か小型の鍋に調味料とゴボウを入れて、ゴボウがしんなりしたころにウナギを入れます。煮立ったら溶き卵を回しいれて卵とじにします。卵が半熟になれば三つ葉を散らして出来上がりです。
市販のかば焼きを使うので、スーパー時短料理になります。お酒の肴にもご飯のおかずにもおいしい一品です。ウナギの皮に含まれたコラーゲンを逃すことのないようにお汁までいただきましょう。
パプリカの副菜でビタミンCを補充して
副菜には、ナスとパプリカを小口切りにしてさっと炒めて、塩コショウで味付けしたものを。パプリカがビタミンCを補ってくれます。ビタミンCは熱に弱いので加熱時間は短めにします。
カイワレとおろしでさっぱり、冷やしウナギそうめん
そうめんは炭水化物ですが、冷やして食べると「レジスタントスターチ」という食物繊維とよく似た働きをする成分になります。ウナギの弱点を補う組み合わせです。
- 材料(一人分)
そうめん一把、ウナギかば焼き半尾、大根おろしカップ半分、薬味(かいわれ大根、ネギ、ミョウガなど)、市販のそうめんだし
そうめんだしは冷蔵庫で冷やしておきます。ウナギは一口大、薬味も好みの大きさに切っておきます。そうめんを好みの固さに湯がいてから水にさらします。そうめん鉢か深皿に、そうめんを敷いて大根おろし、ウナギ、薬味をトッピングします。上からそうめんだしをかけていただきます。好みでポン酢をかけてもおいしく食べられます。具材をすべて冷たくしておくのがおいしさのポイントです。
大根おろし、カイワレ大根、ネギなどの薬味でビタミンCを補います。
糖化を抑えるウナギのとろろご飯
ウナギというと、うな重やうな丼を思い浮かべてしまいますが、温かいご飯は糖質の宝庫です。ひと工夫することで糖質の吸収を穏やかにしてコラーゲンの敵である糖化現象を防止しましょう。
ご飯は山芋やオクラを混ぜることで消化速度が遅くなります。血糖値の急激な上昇を抑えて糖化現象を防ぐことができます。山芋には食物繊維が豊富です。またオクラや大葉、焼きのりでビタミンCを補います
- 材料(一人前)
ご飯一膳分、ウナギかば焼き半尾、かば焼きのたれ少々、山芋、オクラ、焼きのり、わさび適宜
ウナギは、ひと口大に切っておきます、山芋はすりおろし、オクラはみじん切り、大葉は細かい千切りにしておきます。丼にご飯をいれ、山芋、オクラ、ウナギ、大葉をトッピング、焼きのりを手で揉んで上にかけます。わさびを加えていただきます。
ご飯と山芋やオクラがよく混ざった状態で食べる方が糖質の吸収速度を抑えることができます。