私たちはコラーゲンが体内に存在し、骨、肌、関節や目など体にとって非常に大切なものだということを知っています。では、昔の人はどうだったのでしょうか?
実はコラーゲンはつい最近まで栄養的に価値のないものだと考えられていました。その理由は、コラーゲンに含まれるアミノ酸は人の体内で合成できるため食品として摂取する必要はないと考えら得ていたからです。
無限には作られないコラーゲン
ところが様々な研究が進むうちに「コラーゲンは加齢とともに少なくなる」ことが分かってきました。それと同時に、「コラーゲン不足=老化」ということもはっきりしてきました。老化が気になるのなら体内のコラーゲンを増やさなければいけないという思いによって、食品やサプリメントからコラーゲンを摂取する必要性が高まっています。
コラーゲンという言葉を知らなかった昔の人はある食べ物を食べると、肌に輝きが出て美しく見えるということを気がついていたのかもしれません。食べればひざが楽になり、五十肩が軽くなる、そのような食べ物を知っていたのかもしれません。世紀の美女のコラーゲン生活、興味ありませんか?
楊貴妃が好んだ鶏手羽肉
楊貴妃は美しすぎて国を滅ぼした?
楊貴妃(ようきひ)は8世紀の中国皇帝(玄宗皇帝)の妃でした。玄宗皇帝は楊貴妃の美しさに溺れるあまり、楊貴妃の親兄弟を政治的に重要なポストに付け、楊貴妃が欲しがるものは何でも与えました。そして、楊貴妃とともに過ごす時間を増やしたため、政治に身が入らず国はやがて衰えていきました。
このような状態の中でついに家来が反乱を起こします。その反乱で楊貴妃の親兄弟は皆、処刑されてしまいました。そして、玄宗皇帝の命を救うには楊貴妃を処刑することが条件とされましたが、皇帝はこの条件を飲み反乱は治まりました。
美しいあまりに国の混乱を招いたため、楊貴妃は「傾国(けいこく)の美女」とよばれています。国を衰えさせるほどの美女と言われていたのです。
楊貴妃は手羽肉の美容効果を感じていた?
美しすぎた楊貴妃が愛した食べ物が手羽先の煮込みだったという話は有名です。手羽先は鶏肉の中では値段の安い部位です。皇帝の妃ならもっと高級品を食べそうなものですが、彼女はあえて手羽先を好んでいました。
手羽先肉は高脂肪高たんぱく質で皮に覆われているため、皮の裏や関節部分にはコラーゲンがたっぷり含まれています。他にもビタミンKとナイアシン多く含まれている非常に栄養豊富な食べ物です。
楊貴妃は美貌であったとともに豊満なプロポーションであったことも有名です。つまりグラマーな体型で(若干肥っていた?) 当時の理想の美しさだったようです。この美しさを保つためには、高脂肪高たんぱく質、高コラーゲンの手羽先はとても合理的な食べ物です。おそらく楊貴妃は手羽先を食べた翌日の自分の肌の輝きや化粧のノリのよさを実感していたのでしょう。
楊貴妃はビタミンCとコラーゲンの効果を知っていた?
そして楊貴妃のもう一つの好物がライチです。ライチは糖分が多い果物ですがビタミンCも豊富です。ビタミンCはコラーゲンを増やすために必要な栄養素ということは現代科学で解明されたことです。しかし楊貴妃はコラーゲンを多く含む手羽肉と、ビタミンCの豊富なライチを好んで食べていました。本能的に自分を美しくする食べ物を知っていたとも考えられます。
鶏手羽肉のおいしい食べ方
コラーゲンは長時間加熱するとゼラチンになる
コラーゲンは、加熱すると65℃ぐらいからか縮み始めて固くなりますが、75~85℃でだんだんと柔らかくなります。コラーゲンの頑丈ならせん構造は熱によってほどけてゼラチンに変化します。とろとろとしたおいしいスープは、手羽先に含まれているコラーゲンが熱で分解されてできたチキンゼリーと言えるでしょう。
この状態になったコラーゲンは水に溶けやすいため、鶏手羽肉の料理はスープがなくなるまで煮詰めるか、スープも飲めるような料理にするかにするようにしましょう。楊貴妃が好んで食べのは手羽先スープのほうです。
手羽先スープは意外と簡単!
手羽先スープというと手間がかかって面倒だと思うかもしれませんが作り方は意外と簡単です。一度にたくさん作って冷凍しておくと、毎日少しずつ食べることもできます。
- 手羽先をきれいに水洗いしてから調理します。血合いが気になるなら湯洗いをして赤黒い部分を取ってしまいましょう。
- 下ごしらえをした手羽先と、ショウガ、ネギ、酒、水を鍋に入れてそのまま煮込みます。耐熱容器があれば電子レンジで加熱してもかまいません。
- スープが白っぽくなって来ればいったん火を止めて鍋の中をかき混ぜます。コラーゲンや調味料が均一に混ざり合うようにするためです。
- もう一度十分加熱するとコラーゲンがスープに溶けだしてきます。加熱の度合いは好みにもよりますが、スープにとろみが出てくればコラーゲンが十分にスープに溶けだしたサインです。仕上げにたっぷりとブラックペッパーをかければ大人向けの料理に仕上がります。
- ポン酢などでいただきますが、ゆず、レモン、かぼすなどをかけるとビタミンCも一緒に食べることができます。
また、付け合わせにはパプリカやピーマンなどの野菜を使った中華サラダがおすすめです。
楊貴妃が、ショウガを使ったかどうかはわかりませんが、ショウガは非常に優秀な抗糖化物質でコラーゲンを守るために非常に有効な食材ですので薬味として使っても良いでしょう。