現代人なら、ほとんどの人がコラーゲンの大切さを知っています。そして美容や健康に敏感な人なら、多かれ少なかれコラーゲンを摂るための努力をしているのです。牛筋や鶏手羽肉など、コラーゲンを多く含む食事を心がけている人もいます。コラーゲンサプリメントを飲んで、コラーゲンを補う努力をしている人は少なくありません。
そんなに努力しているのに、毎日の食事がコラーゲンを破壊する手助けをしているということをご存知ですか?
せっかく努力しているのに、知らず知らずのうちに、自分自身で努力を台無しにしているかも知れないのです。こんなにもったいない話はありませんよね。努力が台無しにならないように、食事の勉強をしていきましょう。
余った糖分がコラーゲンを破壊する!
炭水化物を食べ過ぎると?
炭水化物は、人々の生活になくてはならない重要な栄養素です。炭水化物を多く含む食品にはご飯、パン、麺類、いもなど、世界中の国々で主食として食べられているものです。また、米や小麦粉を原料にした、あられやおかき、クッキー、ケーキなどのほかにも、チョコレートやキャンディなど、ついつい食べ過ぎてしまう炭水化物は数えればキリがないくらいに出回っています。
これらの食品を食べ過ぎれば、肥ってしまうことは誰でもが知っていることしょう。しかし、炭水化物の問題点はそれだけではありません。炭水化物を食べ過ぎると体の中で糖分が余ってきます。余った糖分が体の中で、とんでもない”わるさ”をするのです。
体内で余った糖分が仕掛ける悪さとは
エネルギーとして消費されずに余った糖分は、たんぱく質と結びついて老廃物になってしまいます。これを糖化といいます。せっかく栄養分として食べたタンパク質も余った糖分と結びついて、本来の働きをしないままに老廃物となってしまうのです。つまり、コラーゲンの原料になることなく老廃物となってしまうのです。
老化の原因になる糖化、コラーゲンにも起こります
体内で使われずに余った糖分は、タンパク質と結びついてコラーゲン生産の邪魔をします。しかし、恐ろしいのはそれだけではありません。なんとコラーゲン自身が余った糖分と結びついて糖化してしまうのです。糖分はお肌の深い部分にあるコラーゲンさえも糖化させます。そして老廃物としてお肌にたまっていくのです。本来ならふんわりと弾力性がある真皮が固くなり、美しい肌色は黄色く変色していきます。
そればかりか、せっかくコラーゲンのサプリメントを飲んでも、そのコラーゲンが糖分と結びついてしまうと、老廃物となって美容や健康に悪影響を及ぼすことになってしまうのです。こうしてお肌はだんだんと老化していきます。
糖化による老化はお肌だけではなく、関節や骨、歯、爪、髪にも表れて、関節痛や骨粗しょう症、薄毛などが表れます。これらの症状はある日突然現れるわけではありません。糖化は長い年月をかけてゆっくりと体全体をむしばんでいきます。ふと気が付くと、「アレ?私、他の人より老けてる?」なんてことになってしまうのです。
炭水化物の上手な食べ方とは?
炭水化物は最後に食べるのがいい?
懐石料理では、最初に先付けという料理が運ばれてきて、そのあと椀物や焼き物、煮物などが出てご飯は最後から2番目、最後はアイスクリームやメロンなどで終わります。これは、とても合理的な順番なのです。というのも、最初にご飯を食べると、ご飯でおなかが膨れてしまって後の料理をおいしくいただけなくなってしまうからです。
日ごろの食事でもご飯やパンを先に食べると早くおなかが膨れてしまって、おかずを食べる量が少なくなってしまいます。すると、炭水化物中心の食事になってしまうのです。ご飯よりも先に、野菜や肉、魚などのおかずを食べると、ビタミンやタンパク質をたくさん食べて炭水化物を食べ過ぎずに済みます。
また、ご飯やパンを後で食べるメリットはもう一つあります。先に野菜や肉、魚などを食べることによって胃や腸に食物繊維がたまり、炭水化物の消化を遅れさせるのです。糖分は消化吸収のよい栄養素ですから、最初に食べると血液中への流れ込みも一気に行なわれてしまいます。そこで、消化が遅い食物繊維類を最初にたべることで、血液中への糖分の流れ込みを緩やかに行うのです。こうして血液の中の糖分量を増やさないことで、コラーゲンの糖化現象を防止へと導くことができるのです。
また腹持ちのよい炭水化物の消化が遅いほど、次の食事までのお腹の空き方が緩やかになって間食の量が減るのです。
炭水化物の消化を悪くしてコラーゲンを守る?
炭水化物の消化が一気にすすむと、血液の中の糖分の量が一気に増えて糖化現象の原因になります。意識的に炭水化物の消化を悪くさせて食べることにより、糖化を防げるようになるのです。
- 硬めに調理する
ご飯なら固めに炊く、麺類は固めにゆでる、パンならトーストせずに食べたほうが消化が悪く糖化の原因になりにくいのです。口当たりの固いものは、一気食いをしにくいので、食べる量も減ります。 - 冷やす
冷めたご飯、冷製パスタ、冷麺などは、ホカホカご飯やラーメンなどよりも消化が悪くなります。冷たい炭水化物は、”アンチセルロース”と呼ばれる食物繊維になって糖化の予防をしてくれます。 - 食物繊維やタンパク質などを混ぜ込む
ご飯を食べる時には、チーズや削りカツオを混ぜるとよいといわれています。 - 消化の悪い成分で包み込む
ご飯や麺類は、山芋や納豆、なめたけ、ぬめりのある海藻などを混ぜ込んで食べると消化が悪くなって、糖化防止につながります。
黒い炭水化物でコラーゲンを守る?
炭水化物は主に植物に含まれています。米、麦、いもなどが私たちが日ごろ食べている炭水化物を含む食品です。これらの食物の実を乾燥させて、すり潰したり焼いたり茹でたりするのです。この時に皮などを取り除く作業があるのですが、あまりにも皮などを丁寧に取り除くと真っ白になります。それが白米や小麦粉などです。
皮の除去をしていないもの、不完全なものは色が黒っぽくなります。玄米や全粒粉などが、これにあたります。蕎麦も、完全に皮を取り除いていると白い色をしています。 白い炭水化物は味が上品でおいしいといわれています。けれど黒い色をした状態のほうが、タンパク質やミネラルなどを多く含んでおり、消化も悪いので糖化防止につながるのです。
今あるコラーゲンを維持しつつコラーゲン生産を順調に継続していくのであれば、炭水化物の摂り方に十分注意し、糖化予防に心がけましょう。